共通ルート第一章 間章


 キャラクター名や設定等は前企画のものを使用しており、

今回の企画に関わりないものですが、

部分部分使用している箇所もございます。

基本的にここで公開されているシナリオは前企画にてお蔵入りした物

今回公開したシナリオは『本文(仮)』である。

又、前企画では『聖陣営』『邪陣営』と別れての聖杯戦争であった。

【サーヴァント7騎X2+マスター7人X2+(その他)=物凄い人数】

下記シナリオはそんな2つの陣営の動きを表しているものである。


 

☆時刻は今日という一日が終わる半刻前

 剱介は先ほどまで英霊同士の死闘が行われていた中庭に来ていた。

 綺麗に敷かれた石畳は見る影もなくボロボロで

 真ん中の噴水場などまるで初めから無かったかのように壊されている。

 パッと見るだけでも至るところに血痕が飛び散っている。

 

 剱介は何とも言えない感情が自身の中で渦巻いているのを感じている。

 英霊同士の戦いを見たのは先ほどが初めてではないが

 おそらく『死闘』というものを見たのは自身の記憶に当たる部分を覗いても

 今回しか該当しない。

 これが、英霊という未来・過去・現在においての『英雄』同士の戦い

 これが聖杯戦争。

 剱介は、自分が真の意味で『戦い』の中に身の置いているのだと確信した。

 自然と握り締めた手に力がこもる

 そこに今まで遠くから様子を見ていたセイバーが声を掛けてきた。

 『マスター』

 剱介は声をかけられた方向に意識だけ向ける

 『マスターは魔術師では無く、聖杯戦争というもを最近まで知らなかった。

  そんな貴方が令呪という参加資格を持ち、私という英霊を手にして、

  聖杯戦争に参加した。これが、聖杯戦争です。

  と言ってもこんなものは”戦争”のウチにはいりませんが』

 

 剱介はそんなセイバーの言葉に自分の中にあった余裕や慢心等といった

 気持ちが恥ずかしく思うのか顔をしかめる。

 『今回は引き分けに近い形で終わりましたが、次もそうだとは言えません』

 『そうだな』

 『次は私かも知れません。もしかしたらマスターご自身かも知れません』

 『わかっている』

 『前にも申しましたが、相応の覚悟はしておいてください』

 『あぁ』

 セイバーはそれだけ言うと身を返して、拠点の中へと帰っていった。

 セイバーの言葉を自身の中で反復させて、剱介も中庭をあとにした。

 

☆暗転


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☆視点移動  ※邪陣営視点


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☆時刻を同じくして。


 暗い広間に一つの魔法陣が出現した。


 そこからは、全身に傷を負い血を流している男とその襟を持ち引きずっている

 豪華な衣装に身を包んだ少年が現れた。


 ??? 『戻ったようだね』

 少年?『あぁ。全くめんどくさい事を押し付けおって...』

 ??? 『悪い悪い。でも今回は君が一番適任だったからさ

     それにしてもひどくやられてるねぇ』

 少年?『英霊と言えどもコイツも所詮はただの一介の兵士にすぎん。

     あんな連中に無様に負けるとは...』

 ??? 『でも彼は充分な働きをしてくれたさ。

     向こうのランサーの宝具をあれだけ引っ張り出してくれたんだからね』

 少年?『ふん』

 ??? 『何か気に入らなさそうだね』

 少年?『吾輩が此奴を連れ戻しに向かった際に上空から宝具を放ったのだが

     一人...吾輩と目が合った奴がおったのだ』

 ??? 『へぇ~。君と目が合うなんてねぇ...あれだけ高い所に居たのに

     よく見えたもんだ』

 少年?『お前も見えていたのか』

 ??? 『あははっ。僕じゃないよ"彼女"さ』

 少年?『あぁ、奴か』

 ??? 『ふぅん...なら次は君に任せるよ』

 少年?『なんだと...吾輩に出向けというのか?』

 ??? 『まぁ彼がその様子だからねぇ...他は動きそうにないし』

 少年?『仕方があるまい。分かった次は吾輩が行こう』

 ??? 『くれぐれも全員やっちゃうなんて真似はしないでね、つまんないし』

 少年?『それは吾輩の領分だ。吾輩が決める』

 ??? 『分かったよ。君に一任する』

 少年?『あぁ。任せておくが良い』

 

 暗闇の中で二人の嗤い声が溶ける用に広がっていた。


☆暗転